ゲスト司会インタビュー・天野順一朗さん

―天野さんは、2016年の第4回の中国ブロック劇王以来、ゲスト司会を務めていただいています。今回8回目を迎える中国ブロック劇王について、どのように感じていますか。

 

天野)中国ブロック劇王はルールや実施方法など、独自に進化発展し続けているイベントだと感じています。毎回訪れるたびに新しい驚きと楽しみに溢れています。あと運営の皆さん、ちゃんとしてて凄いです。憧れます。

 

―天野さんと言えば開演前の「影アナウンス」を楽しみにしている観客の皆さんも多いですが、天野流影アナが生まれた経緯は?また司会をされる際に心がけていることがあれば教えてください。

 

天野)2011年に初めて劇王をお手伝いし(てるフリをして楽屋でダラダラして)た時、佃さん(※佃典彦さん)に「毎年僕がやってたけど、今回天野くんやったら?」と原稿渡された事がキッカケです。「この原稿は僕がやってたアナウンスだから自分流のやつ作って」とのオーダーがあり、吐きそうになりながら原稿を書いてアナウンスをしました(ちなみにその時僕はまだ劇作家協会には入っていませんでした)

 

―天野さんご自身も劇作家として、ご自身が共同代表を務める劇団放電家族の作品を中心にオリジナル作品を数多く手がけられ、本場・劇王にも出場されています。天野さんが感じる劇王の意義や魅力は?

 

天野)劇団で作品を作っていると、演出や役者、スタッフという存在は強く感じますが「人物としての他の作家」を感じる事はあまりありません。このイベントは劇作家の大会なので、「他者である作家」を全身に浴びる事ができます。「あぁ、俺は独りぼっちじゃない」という事を、座組や劇団員とは違う感覚で感じられるので、勝っても負けても「さぁ次を書こう」というエネルギーになっています。

 

―多くの作品を一度に観ることができ、観客が投票で参加できるのが劇王の大きな特徴です。観客の皆さんに「劇王を楽しむ秘訣」などがあれば、ぜひお願いします!

 

天野)劇王は観客投票ももちろんありますが、それ以上に「フェス」だと思うので、それぞれの楽しみ方で作品を浴びるのが良いと思います。その上で、自分にとって最高の作品に投票する。投票の基準はそれぞれ自分で決めちゃえばいいんです。だから1等賞を決める大会ですが、その結果がイコール「作品の優劣」とはならない。観客票1票1票が、お客さんそれぞれの「最高だ!」という思いなので。一緒に楽しみましょう。

 

★★★

天野 順一朗(あまの・じゅんいちろう)

1984年7月24日生まれ。愛知県豊川市出身。

劇作家・演出家・俳優・芸人

劇団「放電家族」代表、舞創集團「綺兵隊」代表

日本劇作家協会東海支部副支部長

2016年の第四回中国ブロック劇王決定戦以来、ゲスト司会を担当。得意のモノマネを駆使した開演前の影アナが風物詩に。

2022年、直腸がん手術によりオストメイトに。脚本書いて、ものまねやってと、元気ながんサバイバー。